旧南総鉄道

千葉県の近代産業遺跡

かつて茂原と奥野（市原市）を結ぶ鉄道が走っていました。昭和5年に茂原～笠森寺間が、8年に笠森寺～奥野間が開通しました。しかし、奥野は小さな集落のうえ、途中の町は長南しかなく、また、笠森寺の参詣客も当てにしたほどいませんでした。当然、経営は当初から苦しく、従業員の給料はおろか、列車を走らせる燃料も買えないこともしばしばでした。計画では、奥野から小湊鉄道鶴舞駅まで延長する予定でしたが、昭和8年に小湊鉄道上総牛久駅までの路線に計画を変更しました。しかし、延長はおろか、現状維持もままならず、ついに昭和14年に廃止されてしまいました。わずか8年余りの営業でした。
廃線跡は一部、農道として残っています。また、一宮川、三途川にかかっていた橋の橋台も残っています。

金谷川橋梁を渡るガソリンカー

金谷川（かんやがわ）橋梁を渡るガソリンカー（「千葉の鉄道一世紀」より）

金谷川は現在の豊田川です。　金谷川橋梁の位置

三途川橋台（北側）　地図

三途川橋台（南側）

一宮川橋台　地図